愛しのタマちゃん [art]
『タマ、帰っておいで』(講談社 2020)は横尾家の家族の一員として15年暮らした愛猫タマ(本名タマゴ)の画文集。見開き左頁にタマの肖像画(90点)、右頁に文(日記)で構成されているが、必ずしも絵と文が対応しているわけではない。タマの死(2014年5月31日)に始まり、生前(2004年7月6日〜)の日記もあるが、死後(〜2018年6月1日)の記述が3分の2を占める。肖像画はタマの死後に描かれている。表現主義風の肖像画はセザンヌやマティスを想わせたりもする。瀕死の重傷を負ったタマが快復して、「世田谷区動物フェスティバル」から表彰される。1週間の失踪事件。裏庭の棕櫚の樹の下の「タマ霊園」。瀬戸内寂聴から送られた2体の土仏。オノ・ヨーコの来訪。タマの夢‥‥横尾忠則(ぼく)はタマを描くことで、ペットロスから治癒したけれど、タマ(私)は巻末の「タダノリ君へ」宛てた手紙の中で「君のやっている芸術とかは空洞を埋めようとしています。空洞は空洞としてスカスカでいいのです。今の芸術はつめ過ぎです」と書いている。空洞を抱えて、ネコのように生きて行く。そこはネコの霊が帰って来る場所でもある。
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- 著者:横尾 忠則
- 出版社:講談社
- 発売日:2020/04/01
- メディア:単行本
- 内容:2014年に亡くなった愛猫「タマ」、天に召されたその日から横尾さんが描き続けたタマの絵なんと91点!そして、タマに捧げた多くの文章…、これは横尾さんの「レクイエム」の画集!
2020-07-11 00:00
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