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猫だまし(い) [books]

『猫だましい』(幻冬舎 2020)は猫エッセイ『それでも猫は出かけていく』(2014)の続編ではなく、著者・ハルノ宵子の入院闘病記だった。「猫本」 目当てで購読した人は騙されたと思うかもしれない。羊頭狗肉ならぬ 「猫頭人肉」?‥‥タイトルに偽りありではないかと不審に思って表紙イラスト(装画)を見直すと、横書きタイトル「猫だましい」の「い」が改行されて「し」の真下にあり、舌を出した阿修羅猫の握っている包丁が「い」に重なっている。包丁で「い」を切れば(手術で切ったのは胃ではなく大腸なのだが)「猫だまし」 ‥‥ これが真のタイトルなのではないかと気づいた。悪賢そうに擬猫化した挿画も悪だくみを仄めかす。乳がん(片乳全摘出)、大腿骨骨折(人工股関節置換手術)後、2017年1月に大腸がん(腹腔鏡手術)が発覚してしまった著者の七転八倒というか、抱腹絶倒のエッセイである。「ま◯こからう◯こ」 「歩けない猫は猫じゃない」‥‥20年前に元祖『猫だましい』(新潮社 2000)を上梓した河合隼雄先生も極楽浄土で破顔しているかもしれません。

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猫だましい

猫だましい

  • 著者:ハルノ 宵子
  • 出版社:幻冬舎
  • 発売日:2020/10/27
  • メディア:単行本
  • 目次:ステージIV / ああっ!もっと奥まで / ま◯こからう◯こ1 / ま◯こからう◯こ2 / ニヤリ系の医者 / おひとりですか? / 病室人間模様 / 歩けない猫は猫じゃない / 崖っぷちな人 / 見舞われる / ネコノコシカケ / メシマズ病院 / ナースの敵 / 座敷童のいる病院 / 猫は逃げ足が早い / 臓物マニア / プラマイゼロ / 医師の役割 / タテ割り病院 / マウンティ...


それでも猫は出かけていく

それでも猫は出かけていく

  • 著者:ハルノ 宵子
  • 出版社:幻冬舎
  • 発売日:2014/05/09
  • メディア:単行本
  • 目次:白猫の呪い / さらなる試練 / 野戦病院 / 獣医師の力量 / それでもネコは出かけてく / モレるんです / 欲の深い人間 / 集会に出る / 薬・くすり / 予想外です!/ 明日は明日 / 超ヘン猫うちのコに限って / 相関図 / 大惨事 / 最後の女王 / 愛がなくちゃね / 想定外の入居者 / 身代わり / 北斎かっ / 猫の耳 / クロイヤツ / トホホ・クイーン / 怖くない死体 /

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