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山尾悠子随筆集成 [books]

小説には「寄らば斬るぞ!」みたいな殺気立った近寄り難さもあったが、エッセイになると親密で無防備になる落差が魅力的なツンデレ系幻想作家・山尾悠子の随筆集成『迷宮遊覧飛行』(国書刊行会 2023)。「二十代から六十代までに書いた小説以外の文を(強引にも)一冊にまとめた訳であって、途中の三十代から四十代半ばまでは休筆期間で空白」 という特殊事情から、発表年代順ではなく、復帰以降のエッセイから逆に遡る構成になっている。巻頭の「読書遍歴のこと」は書き下ろし。澁澤龍彦、泉鏡花、塚本邦雄、赤江瀑、笙野頼子、間宮緑、長野まゆみ、倉橋由美子、ボルヘス、デルヴォー、マイリンク、マルセル・シュオッブ、C・S・ルイス、ブッツァーティ、ジェフリー・フォード、時里二郎、川野芽生、須永朝彦、ル・グイン、小松左京、中井英夫、稲垣足穂などの書評、解説、推薦文、アンケート、掌篇小説や『夢の遠近法』(2010)の自作解説も収録されている(全81篇・502頁)。

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迷宮遊覧飛行

迷宮遊覧飛行

  • 著者:山尾 悠子
  • 出版社:国書刊行会
  • 発売日:2023/01/23
  • メディア:単行本
  • 目次:読書遍歴のこと 序文に代えて / 月光・擦過傷・火傷 / 綺羅の海峡 赤江瀑 / 教育実習の頃 / 東京ステーションホテル、鎌倉山ノ内澁澤龍彦邸 / ボルヘスをめぐるアンケート / 人形国家の起源 笙野頼子『硝子生命論』/ 歪み真珠の話 /『夢の遠近法』自作解説 / 架空の土地を裸足で旅する快楽 間宮緑『塔の中の女』/ 美しい犬 / デルヴォーの絵の中の...

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