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あと何回の満月 [books]

『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(新潮社 2023)は『音楽は自由にする』(2009)の続編。冒頭の 「ガンと生きる」 はベルトリッチとボウルズ、外科手術前後(2021・1)や両親の死のことなど、「母へのレクイエム」 以降は時系列順(2009~23)に語られる。財津一郎の 「♪みんな まわるく タケモトピアノ」 のCMソングと振り付けがリピートされたという手術後の譫妄には不謹慎ながら笑ってしまう。「ラスト・エンペラー」 の映画音楽を二週間で作曲したとか、「死んでもやりなさい」 というパートナーの(心ない?)叱責とか、過度のプレ ッシャーとストレスが寿命を縮めたんじゃないかと邪推したり(「Last Days 坂本龍一 最期の日々」(NHK 2024・4・7)の中で、教授も自ら後悔していた)。死後出版されたため、「著者に代ってのあとがき」 は鈴木正文が代筆している。教授と最期に会ったのは死の20日前、『坂本図書』(バリューブックス・パブリッシング 2023)に収録するための対談だったという。巻末の 「フューネラル・プレイリスト」 の最後(死の3日前!)に追加された葬儀曲はローレル・ヘイローの〈Breath〉だった。

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ぼくはあと何回、満月を見るだろう

ぼくはあと何回、満月を見るだろう

  • 著者:坂本 龍一
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2023/06/21
  • メディア:単行本
  • 目次:ガンと生きる / 母へのレクイエム / 自然には敵わない / 旅とクリエイション / 初めての挫折 / さらなる大きな山へ / 新たな才能との出会い / 未来に遺すもの / 著者に代わってのあとがき 鈴木正文 / フューネラル・プレイリスト / 年譜

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