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居酒屋ハルノ [books]

『猫屋台日乗』(幻冬舎 2024)は深谷かほるの 「居酒屋ワカル」 を想わせる表題だが、猫マンガではないし、猫のための料理本でもない。「猫屋台」 は2012年に相次いで両親を亡くし、介護生活から解放された吉本家の長女が自宅を改装して、2014年12月に開店した完全予約制の居酒屋である。『猫だましい』(2020)では女将の乳がん、大腿骨骨折(人工股関節)、大腸がん(ステージIV)などの闘病生活も綴られたが、本書は脱腸入院、両親の手作り弁当、父(吉本隆明)の本で "狂った" オジサン客、人生初ピザの思い出、「得意料理」 のサンドイッチ、「馬尾神経症候群」 の飼い猫シロミの死(2021)、週刊誌の取材 「最後の晩餐」、早飲みハッピーアワーなど。コロナ下の東京オリンピック、コロナ騒動で政府(お上)が発令した自粛要請や 「緊急事態宣言」、市井の人々によるマスク警察や自粛警察を戦時中の憲兵国防婦人に重ね合わせて厳しく批判する。ネコの出番は少ないけれど、縞ネコ(著者のアバター)がレシピなどを図解するイラスト(36葉)が愉しい。

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猫屋台日乗

猫屋台日乗

  • 著者:ハルノ 宵子
  • 出版社:幻冬舎
  • 発売日:2024/01/24
  • メディア:単行本
  • 目次:「猫屋台」 というところ / リスクの偶然性 / 家庭の味 / "生" が好き / 名もなき料理 / 殺意の食卓 / 境界線上のオジサン / 星降る夜のピザ / 脱腸入院 / 脱腸入院・キョーフの夜 / 脱腸入院・ひにちぐすり / デイ・ドリーム・ビリーバー / 魔界時間で営業中 / Sさんはあきらめない / ピアノ・マン / コロナ下のあだ花 / 老舗の矜持 / Sさんは2度来る / オ...


猫だましい

猫だましい

  • 著者:ハルノ 宵子
  • 出版社:幻冬舎
  • 発売日: 2023/02/09
  • メディア:文庫(幻冬舎文庫 は-32-2)
  • 目次:ステージIV / ああっ!もっと奥まで / ま◯こからう◯こ1 / ま◯こからう◯こ2 / ニヤリ系の医者 / おひとりですか? / 病室人間模様 / 歩けない猫は猫じゃない / 崖っぷちな人 / 見舞われる / ネコノコシカケ / メシマズ病院 / ナースの敵 / 座敷童のいる病院 / 猫は逃げ足が早い / 臓物マニア / プラマイゼロ / 医師の役割 / タテ割り病院 / マウンティン...

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