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通い猫アルフィー [books]

1年前に姉さん猫アグネス、2週間前に飼主の老婦人マーガレットを亡くして、天涯孤独の身となったアルフィーは娘リンダ夫婦の会話に耳を欹てて腹を立てる。実家を売却して、猫を保護施設へ連れて行こうと算段しているのだ。猫社会で "死刑囚檻房" と呼ばれているシェルターに送られることは死刑宣告を待つのに等しい。近所のお婆さん猫メイビスの助言を受けて家を出る。ホームレスとなったアルフィーは考える。再び飼い猫になったとしても、マ ーガレットのように先立たれたら同じ目に遭う。放浪中に親身になってくれたボタンのように複数の家を渡り歩く通い猫になろうと決心する。そしてアルフィーは売り家や空室ありの看板のある瀟洒な住宅地 「エドガー・ロード」 に辿り着く。元夫に浮気されて離婚して引っ越して来た泣き虫クレア、無職になって恋人にも去られたスネ夫ジョナサン、2組の夫婦ポリーとマット、フランチェスカとトーマスと子供たちも2軒のアパート(フラット)に越して来た。『通い猫アルフィーの奇跡』(ハーパーコリンズ・ジャパン 2015)は漱石の 「猫」 と同じく、一人称視点(ぼく)で描写される。主人公は英語を解する擬人化されたネコだ。

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通い猫アルフィーの奇跡

通い猫アルフィーの奇跡

  • 著者:レイチェル・ウェルズ(Rachel Wells)/ 中西 和美(訳)
  • 出版社:ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日:2015/09/19
  • メディア:文庫(ハーパーBOOKS)
  • 内容:飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちになった猫アルフィー。帰る場所もなく空腹でさまよい続けたすえ、とある住宅地にたどり着いたアルフィーは、そこで "通い猫" として生きようと決める。だが訪ねた先の住民は揃いも揃って問題だらけ。世をすねた無職の男に育児疲れの主婦、デートDV被害者──そんな彼らに、いつしか1匹の小さな猫が奇...

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