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隆明にゃん [books]

『隆明だもの』(晶文社 2023)は 「吉本隆明全集」 の月報など32篇に、語り下ろし 「ハルノ宵子×吉本ばなな 姉妹対談」(75頁もある!)、インタヴュー 「ハルノ宵子さんに聞く」(2016)を併録した長女のエッセイ集。『それでも猫は出かけていく』(幻冬舎 2014)や『猫屋台日乗』(2024)でも垣間見られた吉本家の内実が父親とのエピソードを軸に綴られる。アマチュア俳人の母親、小説家の次女。子供の頃の思い出、少女マンガ家を目指した青春時代、老いた病身の父母を介護した日々、両親を看取った後の現在の心境。夏の西伊豆 ・土肥の海、父が溺れた夏(1996)、谷中霊園の花見、忘年会、引っ越し(田端・駒込林町〜上野中御徒町〜谷中初音町〜田端の高台〜千駄木〜本駒込の吉祥寺)、午前1時の 「猫巡回」 など。「群れるな、ひとりが一番強い」(隆明)。《吉本家は、薄氷を踏むような "家族" だった。父が10年に1度位荒れるのも、外的な要因に加えて、家がまた緊張と譲歩を強いられ、無条件に癒しをもたらす場ではなかった(父を癒したのは猫だけだ)》(宵子)。

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隆明だもの

隆明だもの

  • 著者:ハルノ 宵子
  • 出版社:晶文社
  • 発売日:2023/12/12
  • メディア:単行本(ソフトカヴァ)
  • 目次:じゃあな!/ 父の手 / eye / 混合比率 / ノラかっ / 党派ぎらい / 蓮と骨 / あの頃 / 小さく稼ぐ / めら星の地より / お気持ち / ヘールボップ彗星の日々 / ギフト / 空の座 / 花見と海と忘年会 / '96夏・狂想曲 / 幻の機械 / 魂の値段 / 境界を越える / ボケるんです !/ 非道な娘 / 片棒 / 銀河飛行船の夜 / 蜃気楼の地 / Tの悲劇 / 孤独のリング / 科学の...

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