サブリナ [comic]
『SABRINA』(早川書房 2019)は「グラフィック・ノヴェル」と称されるオール・カラーのアメコミ。2017年、同棲していたサブリナ・ギャロが行方不明になる。精神的に不安定になった長髪の青年テディ・キングは高校時代の同級生カルヴィン・ローベル(妻子と別居中の上等空兵)の家に身を寄せ、サブリナの妹サンドラも友人アナに慰められる。1カ月後、「スタンダード・ジャーナル」のオフィスにサブリナが殺害される映像を収録したヴィデオテープ(VHS)が送付され、差出人のアパートから、ベッドのシーツに覆われたサブリナの遺体と浴槽の中で死亡している住人ティミー・ヤンシーが発見された。部屋に引き蘢ったテディはラジカセから流れて来る「陰謀論」に聞き入り、ネットに事件の動画が流出して、誹謗中傷のメールや手紙がカルヴィンの許に届く‥‥モンドリアンみたいに幾何学的な格子状のコマ割り、淡く沈んだ色合い、ミニマムな構図、表情に乏しい「目が点」の登場人物‥‥作者のニック・ドルナソはネット時代の重苦しい閉塞感を薄気味悪く視覚化している。
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- 著者:ニック・ドルナソ(Nick Drnaso)/ 藤井 光(訳)
- 出版社:早川書房
- 発売日:2019/10/17
- メディア:単行本
- 内容紹介:ある女性が失踪した。その後、彼女に関する衝撃的な映像を収めたテープが新聞社に送られてくる。その映像はインターネットを席捲し、噂や憶測、陰謀論が湧き上がる。ゼイディー・スミス、エイドリアン・トミネ絶賛。現代社会を映し出す傑作グラフィックノベル
2020-03-28 00:05
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