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さよならの儀式 [books]

『さよならの儀式』(河出書房新社 2019)は書下ろし日本SFコレクション『NOVA』(河出文庫)などに収録された8作品を纏めた短篇集(8 Science Fiction Stories)。虐待された子供と親を救済するマザー法の施行された社会を描く「母の法律」。防犯・監視カメラの蔓延する社会の不気味さを警鐘した「戦闘員」。中年女性(わたし)の実家の玄関前に女子高生(ワタシ)が現われる「わたしとワタシ」。廃棄された汎用作業ロボットと若い娘が別れの会話を手話で交わす「さよならの儀式」。地球へ探査に来た宇宙人(精神生命体)が姉妹の中に入り込む「星に願いを」。明治11年、漁村に流れ着いた「屍者」の顛末を拡散屍体調査員が老婆に聴取した「海神の裔」。人造擬体が暮らす〈ザ・タウン〉で、誘拐事件が発生する「保安官の明日」‥‥近未来、ロボット、タイムスリップ、エイリアン、レプリカントなどSFガジェット満載だが、女性調査員(わたし)が少年Aの実父からの依頼で、両親を刺殺した息子と向かい合う「聖痕」はホラー色が濃い。

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さよならの儀式

さよならの儀式

  • 著者:宮部 みゆき
  • 出版社:河出書房新社
  • 発売日:2019/07/10
  • メディア:ハードカヴァ
  • 目次:母の法律 / 戦闘員 / わたしとワタシ / さよならの儀式 / 星に願いを / 聖痕 / 海神の裔 / 保安官の明日

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