もう1人の死者 [books]
『Another』(2009)は綾辻行人の学園ホラー・ミステリ。26年前に夜見山北中学3年3組で行なわれた、あることが禍いして「死」を呼び寄せてしまう。座敷童子や「11人いる」など、いつの間にか仲間が「もう一人」増えているのに誰だか分からない(1998年5月に転校して来た榊原恒一の1人称視点で描かれていた)。その3年後、夜見北中3年3組で再び〈災厄〉が起こる。4月新学期のクラスに〈死者〉が紛れ込むことで、多くの関係者(クラスの成員とその二親等以内の血縁者)が死ぬことになる。記憶の改変と記録の改竄。その対策として、増えた〈もう一人〉を中和する〈いないもの〉になった比良塚想(ぼく)と左目の義眼で〈死者〉を見分けることが出来る見崎鳴が「超自然的な自然災害」に挑む(巻頭の 「1998年度の〈災厄〉による(と思われる)死亡者一覧」 を見ておけば、誰が〈死者〉なのかは一目瞭然なのだ)。「〈死者〉を "死" に還す」 ことで、3年前と同じように止まったかと思われた2学期、再び〈災厄〉が始まる‥‥『Another 2001』(KADOKAWA 2020)はコロナ禍のクラスターを預言したかのようなホラー大長編(800頁)である。
*
*
sknyslab 227 / 228 / 229 / 230 / 231 / 232 / 233 / 234 / 235 / 236 / 237 / 238 / 239 / 240 / 241 / 242 / 243 / 244 / 245 / 246 / 247 / 248 / 249 / 250 / 251 / 252 / 253 / 254 / 255 / 256 / 257 / 258 / 259 / 260 / 261 / 262 / 263 / 264 / 265 / 266 / 267 / 268 / 269 / 270 / 271 / 272 / 273 / 274 / 275 / 276 / 277 / 278 / 279 / 280 / 281 / 282 / 283 / 284 / 285 / 286 / 287 / 288 / 289 / 290 / 291 / 292 / 293 / 294 / 295 / 296 / 297 / 298 / 299 / 300 / 301 / 302 / 303 / 304 / 305 / 306 / 307 / 308 / 309 / 310 / 311 / 312 / 313 / 314 / 315 / 316 / 317 / 318 / 319 / 320 / 321 / 322 / 323 / 324 / 325 / 326 / sknys-lab
- 著者:綾辻 行人
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2020/09/30
- メディア:単行本
- 目次:Tuning / Part 1 Yuika Hazumi / Part 2 Izumi Akazawa / Part 3 Misaki Makise / あとがき
2021-04-10 00:14
コメント(0)
コメント 0