少女の名はケーコタン [comic]
『扉はひらく いくたびも』(中央公論新社 2021)は読売新聞朝刊に連載された竹宮惠子へのインタヴュー記事「時代の証言者・マンガで革命を」全27回を大幅(約3倍)に加筆・再構成。半生記『少年の名はジルベール』(小学館 2016)と一部重複する部分もあるが、語り下ろし(聞き手・知野恵子)の方が客観性が高い。1968年少女マンガ家デビュー、1970年徳島大学を中退して上京‥‥『風と木の詩』『地球へ‥』などの作品を生み出す。2000年に京都精華大学芸術学部マンガ学科専任教授に就任、2004年に学長に就任して、2020年に定年退職する。少女マンガ家として30年、大学教師として20年と総括しているけれど、一読者として最も興味を惹かれるのは「大泉サロン」での竹宮恵子と萩尾望都との複雑な関係である。1970年に同居してから半年後に「萩尾さんとなら結婚してもいいと思う」と告白したケーコタンが2年後に同居を解消して、モーさまに「距離を置きたい」と一方的に絶交(それ以来没交渉!)してしまうとは!‥‥竹宮惠子の苦悩は痛いほど分かったので、萩尾望都の『一度きりの大泉の話』(河出書房新社 2021)も読んでみたいと思う。
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- 著者:竹宮 惠子
- 出版社:中央公論新社
- 発売日:2021/03/20
- メディア:単行本
- 目次:刊行によせて / 戦後マンガの歴史と歩む / 子ども時代 / 漫画家への道 / 大泉サロン / 風と木の詩 地球へ‥ / 新たの境地を求めて / 大学、未来へ / あとがき
- 著者:竹宮 惠子
- 出版社:小学館
- 発売日:2019/11/06
- メディア: 文庫(小学館文庫)
- 目次:缶詰旅館 / 一人暮らし / 少年愛の美学 / 大泉サロン / 少女たちの革命 / 不満と焦り / 男の子、女の子 / ライフワーク / 悲観 / ヨーロッパ旅行 / 契約更新 / プロデューサーの仕事 / 新担当編集者 / 読者アンケート / 大学でマンガを教えるということ / 文庫刊行によせて / 解説 サンキュータツオ
2021-05-15 00:31
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