あたしはダルシー [cats]
『あたしの一生』(飛鳥新社 2000)は雌猫ダルシニア(ダルシー)の物語。生後7週目に 「あたし」 は 「あたしの人間」(著者 ディー・レディー)の飼い猫となる。彼女が「あたし」を所有しているのではなく、「あたし」 に従属しているという母猫ナターシャの教えをダルシーはポール・ギャリコの「猫語の教科書」を読んでいるかのように実践する。ダルシーの一人称視点で語られる自伝だが、漱石の猫(吾輩)のように読心術に長けているわけではないので、度重なる引っ越しやクリスマス休暇、キャンピング旅行など、フリーランスの教師と想われる 「あたしの人間」 の私生活が具体的に描写されることは殆どない。車に轢かれて失った尻尾、妊娠と流産、「神様からの贈り物」 だった子猫バートルビー(ハーマン・メルヴィルの「代書人バートルビー」に由来?)の病死、性悪子猫タイバルトとの確執、肝臓病による食事制限‥‥1989年7月6日の朝、安楽死したダルシー(享年17歳4カ月と1日)はバートルビーの隣に埋葬された。文庫版(小学館 2016)はジュディー・キングのイラスト16点を完全収録。
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- 著者: ディー ・レディー(Dee Ready)/ 江國 香織(訳)
- 出版社:小学館
- 発売日:2016/03/08
- メディア:文庫(小学館文庫)
- 目次:プロローグ / お互いを見初める / 遊ぶ / いやなこと / 一緒に旅をする / 生活習慣の確立 / 淋しさに耐える / 訓練 / 痛いめにあう / クリスマスをべつべつにすごす / 喪失感というもの / 猫の神様に会う / 共存すること / のら犬との対決 / 喪失感というもの / 人間の悲しみ / 災いにあう / 再び孤独を選ぶ / もういちど、はじめから / 理想の暮らし / 互い...
2021-08-28 00:02
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