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養老まる 2 [books]

2020年12月21日に永眠した愛猫まるの写文集『まる ありがとう』(西日本出版 2021)。書き下ろしエッセイではなく、養老孟司の聞き書きを纏めたもので、まるの写真を撮った秘書・平井玲子のコラム「今日のまぁくん日和」4篇も挿み込まれている。ペットロス、実感信仰、ものさし、自足、多様性の否定‥‥まるの生き方を通して人間を観察する。「銀河鉄道999」 や「火の鳥 未来編」を引いて、ネコ(まる)を偲び、高度に進化したナメクジを憂う。「まえがき」 に《物事を理屈にすることに長年励んできた。80歳をじゅうぶんに超えてみると、馬鹿なことをしたものだと感じている。理屈で説明しようがしまいが、物事が変わるわけではない。その意味では、理屈にすることは一種の虐待であって、何に対する虐待かというなら、「生きること」 に対する虐待であろう》とある。著者が推薦文を書いたジョン・グレイの『猫に学ぶ』(みすず書房 2021)に通底する「猫のように生きなさい」というメッセージである。まるの写真(114枚)に映り込んだ養老先生の柔和な表情も印象深い。

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まる ありがとう

まる ありがとう

  • 著者:養老 孟司 / 平井 玲子(写真)
  • 出版社:西日本出版社
  • 発売日:2021/12/02
  • メディア:新書
  • 目次:まえがき / 図らずも人気者に / ときどきまる / 最期 / 死に場所 / まるが来た日 / 秘書・玲子の今日もまぁくん日和 日常 / 無口な猫 / ペットロス / 人命は地球より重いかvまるが死んでから分かったこと / まるはものさし / 感覚が優先する社会 / 日本人は「実感信仰」/ 秘書・玲子の今日もまぁくん日和 営業部長 / まるの生き方 / ブータンの幸福 / 四門出遊...

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