ソング・エンド・シー（尊厳死）

『歌の終わりは海』（講談社 2021）はＸシリーズ番外編『馬鹿と嘘の弓』（2020）に続く、漢字（尊厳死）→英語（Song End Sea）→語呂合わせ日本語再変換タイトル２作目。探偵社所長・小川令子は著名な作詞家・大日向慎太郎の妻・聖美から夫の浮気調査を依頼される。ほぼ引退状態の慎太郎は閑静な高級住宅街に建つ邸宅に妻と息子と暮らし、離れには姉・紗絵子も住んでいた。小川令子と所員・加部谷恵美は監視カメラを仕掛けて慎太郎の動向を見張る。そして住人たちが出かけた無人の敷地内で死体が発見される。第一発見者は紗絵子の許を訪れた探偵・鷹知祐一郎だった。梁に架けられた紐で４mの高さに宙吊りとなった紗絵子。警察は首吊り自殺と判断するが、病身の紗絵子は車椅子生活だった。インタヴュ ーに応じたいという大日向慎太郎の意向を請けて、加部谷恵美と親友のジャーナリスト・雨宮純が取材に赴く。本作のテーマはタイトルに隠された「尊厳死」で、姉の自殺の動機は兄から語られるが、トリックは最後まで解明されない。客演した准教授・西之園萌絵が加部谷と小川にヒントを仄めかすだけである。

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歌の終わりは海（Song End Sea）

• 著者：森 博嗣
• 出版社：講談社
• 発売日：2021/10/07
• メディア：新書（講談社ノベルス）
• 目次：プロローグ / 輝きの終わり / 歌詞の終わり / 人生の終わり / 終わりの海 / エピローグ