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夜廻り猫たち 2 [comic]

表紙カヴァの雨に滲む街、見開き口絵の 「灯台」、おこそずきん(三浦布美)にインタヴューした「夜廻新聞」‥‥ウェブ連載を纏めた『夜廻り猫 8』(講談社 2021)。枠線はフリーハンド、ネコたちもアナーキーな凄みを発していた第1巻(ツイッタに投稿されていた頃)と較べると、遠藤平蔵も丸くなった感は否めない。片目の子ネコ重郎の保護者になったことも大きいのだろう。宙さん、見習いワカル、隻眼ニイ、布美なども活躍するが、第8巻の裏主役は帽子猫かもしれない。ぼうしは 「いっしょ」(675~676話)で、平蔵が重郎と一緒に育てることになった失語症の子猫。「おじいさんと子猫」(699~701 / 705~711話)で、老人(渡辺潔)は母猫と逸れた子猫を不本意ながら飼うことになるが、高齢を理由に説得されて、東京の娘(敦子)に子猫(きよし)を託す。独りになった老人を見兼ねた帽子が自ら声を発して飼い猫になった。ところが、敦子が食欲のなくなって点滴をしていた子猫を連れて戻って来たのだ。きよしは兄となった帽子と渡辺家で一緒に暮らすことになる。「あとがきまんが」 も 「帽子猫の木」(672話)を巡るエピソードである。

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夜廻り猫 8

夜廻り猫 8

  • 著者:深谷 かほる
  • 出版社:講談社
  • 発売日:2021/11/22
  • メディア:コミック(ワイドKC)
  • 目次:おじさんと河原猫 / 責任感 / ダイエット猫 / 訃報 / 何のない日 / もらう立場 / 大事なし / 百合と茄子 / 杖 / ぺたり / 見てるんだ / 油揚げ / 彼のベッド / 靴下 / いつ?/ 困難区域 / 四十歳のケーキ / 相棒 / 財産 / 川崎のタヌキ(実話)/ 夏フェス / 灯りのついた窓 / 銀杏並木 / 大丈夫 / お役に立った?/ 聞きに / 女神 /「女」の進学 / ほほえみ / 薄い...

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